「国会が延長されないので、たぶんもう無理です。期待していたネットユーザーには申し訳ない」
ネット選挙解禁に積極的だった民主党の藤末健三参院議員は、2日夜に出演したネットの「ニコニコ生放送」(ドワンゴ運営)の特別番組で謝罪し、「いろんな新しいことを仕掛けようと思っていたのに」と、自身の選挙運動についても無念さをにじませた。
与野党が合意していた公選法改正案では、これまで禁じられていた選挙期間中のウェブサイトやブログの更新を、候補者と政党に限って認めた。5月26日に与野党間で合意したため、早期成立が見込まれていた。
自民党の世耕弘成参院議員は3日、「選挙中にスポットを浴びた問題に候補者が意見を発信したり、街頭演説の日程を更新できたはずだった」と説明、「まだいちるの望みで、民主党に4日の採決を呼びかけている」と述べた。
成立が確実視されたなかでの暗転に、選挙特設サイトを開設したり、政治家向け説明会などを行ってきたネット業者はぶぜんとした表情。立候補予定者の情報や政治献金可能なサイトを設置した楽天は、「選挙期間中の知る権利を制限するに等しい。早期の法改正を期待したい」(広報渉外室)。政治家約80人が参加するアメーバブログを運営するサイバーエージェントは「非常に残念」とし、「法案が流れても、政治家のネットやブログ利用の流れが途絶えることはないだろう」と期待を示した。
ジャーナリストの高野孟(はじめ)氏が主宰するブログサイト「ザ・ジャーナル」では、公示後に予定していた候補者コラムの掲載中止を決めた。「大手マスコミが書かない論点を取り上げる予定だったが…」とスタッフ。
一方、参院選の立候補予定者は「支援者がブログやツイッターで情報を出すのは止められない。実際には影響は少ないだろう」と話した。
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